『病院に行かない生き方』を読みました

この頃、健康や寿命のことについて考えることが増え、こう思うようになりました。

健康でいたいけど、長生きはしたくない。

そんなことができるのかどうかもわかりませんし、ましてやどうやって実現するのかなんてわかりません。

それで本を読んだり、いろいろ調べたり考えていこうとしているところです。

そんな折、この本のタイトルを見て読んでみたいと思いました。

『病院に行かない生き方』

この本の著者は、池田清彦さんという方。

生物学者、評論家、早稲田大学名誉教授という肩書を持つ方です。

健康診断への疑問

健康診断の基準値は、多くの人の平均値をもとにした数値にすぎないということがこの本には書かれてあります。

お酒に強い人からまったく飲めない人までいるように、人によって健康でいられる基準はちがうのに、平均値をもとに決められた基準値から外れると「病気」と診断され治療が始まることへ疑問を投げかけています。

「ここからここまでを健康とする」その基準値自体が、たびたび変更されることからもわかるように、基準値は絶対的なものではないのだとか……

治療には副作用がともなうし、例えば血圧が高いからと降圧剤を飲んだところ他の病気にかかりやすくなる可能性もあると著者は言っています。

自分の感覚に従う

健康診断の数値ではなく、体調がいいか悪いか、いつもと違うところがないか、自分の感覚にしたがって判断するのが良いとこの本には書かれています。

たしかに私も数値でしか自分の病気を自覚していません。

私はLDLコレステロール値が、薬を飲まないと180以上と相当高いんですが、それで何か体調が悪いと感じたことは一切なく、血液検査の結果の紙を見ない限り「脂質異常症」という病気だと自覚するようなことはありません。

それで、コレステロールの薬を飲むのをやめていいかな、血液検査を受けること自体をやめたらどうなるんだろう…等と考えることがあります。

老け方や寿命を左右するのは遺伝子

いくら健康に気を使った生活をしていても、老ける速さ、老け方、そして寿命を決める大きな要素は遺伝子であるとこの本には書かれています。

たしかに……

知人にも、酒もタバコも多く、偏食で特に体に良さそうなことは何もしてないのに、60近くになって健康診断の結果で悪いところは一つもないと言っている人がいます。

いつまでも肌がきれいな年上の女性に秘訣を聞くとハトムギ化粧水だけだったり…

そういうのを聞くと、老化のスピードは人それぞれ、持って生まれたもので決まっていて、努力で変えられるのはほんの少しなのかなぁと思ってしまいます。

体形や肌の質、太りやすさ等が生まれつき人によって大きく違うように、当然内臓の丈夫さや働きもだいぶ違うのでしょうね。

それなのに、誰もが同じ基準値で診断されるのは言われてみると変かもって気はします。

早期発見は良いことか

病気は健康診断や人間ドッグで早期発見して早期に治療をすることが一番と思われていますが、この本はそれにも疑問を呈しています。

例えばガンは、

  1. 自然に消えてしまうもの
  2. きわめて進行が遅いか変化のないもの
  3. 悪性度が高いもの

の3つに分けられるそうです。

1の場合は、健診を受けずに見つけなければ、ガンがあったということも本人は知ることなく終わります。

2も、ガンがあることを知らなければ、治療もせず心配もせず長く元気ですごせるでしょう。

3であった場合に早期治療ができることが健診を受けるメリットですが、1や2のガンが見つかってしまった場合、健診を受けなければ不要だった心配をすることになります。

特に年齢が高くなってから発症するがんは、悪性度が高くても一般に進行が遅いということから、著者は、自分の体調になんだかいつもと違うと気づく症状が出てから病院に行くという方針でいいのではないかという考えを述べています。

野生動物から学ぶ

生物学者の観点から、野生動物の生態から学んで、人の健康法や病気の治療について考える章もおもしろかったです。

ハダカデバネズミは老化しないしガンに対する耐性が極めて高いとかおもしろいですね。

この本を読んで思ったこと

政府の方針、健康診断の基準値などを鵜呑みにするのではなく、自分がどう生きたいかを自分で決めるのが大事ということもこの本には書かれてありました。

それでも、まだ長生きがいいことのように書かれてある部分がありますが、これからどんどん、長生きするのは肩身が狭い世の中になっていくと私は想像します。

とにかく健康、長生き、アンチエイジングを目指すのがいいことで、家族のためみんなのためであり、意識高いことであるというのが今まででしたが、何のために健康を目指すのか、いつまでどんな風に生きたいのかを考えるときがきていると思います。

いつまでも健康でいることはできません。だとしたら最期はどうありたいのか、そういうことを考えた方が良いのかなぁとこの本を読んで思ったりしました。

病院のお世話になることが増えてくる中高年の人におすすめの本です。

でも私の疑問……

薬飲むのやめていいかな? もう病院行かなくていいかな? という疑問には答えが出ません…… 一度病気と診断されてしまうと、治療を受けない決断を自分でするのは難しいですね。

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病気,終活

Posted by hana