『命を削る断食・小食』を読みました

月曜断食でダイエットをしている50代女性です。3日間断食もやったことがあります。
2か月で4キロほど減量し、体調も良いので、月曜断食を続けてもう少し減量していきたいと思っているところ…
Amazonでこんなタイトルの本を見かけました。
『命を削る断食・小食』
表紙には「断食の効果はステロイドのように一時的」とも書かれています。
断食を取り入れている私にとってはかなり衝撃的。
読んでみることにしました。
本の情報
2018年出版
著者:小西伸也
著者は、あんま・マッサージ・指圧師の国家資格を持っている方。治療院で患者さんに食事法を指導し、1000人以上の体調の変化をみてきたとのこと。また、28年間にわたり、断食、ベジタリアン、糖質制限、メガビタミン等を自ら実践されてきたそうです。
断食の効果は一時的?
この本によると、断食で体調が良くなるのは一時的で、断食をくりかえすことで栄養不足になっていくといいます。
栄養不足というのは、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの不足。
それによって免疫力が低下し、老化が進むと書かれています。
断食はまるでステロイドの薬のように、一時的にはめざましい効果が出るけれど、その裏で深刻な健康への悪影響がある、と…
断食で攻撃的に?
本によると、断食によって精神状態がハイになることがあるそうです。
攻撃的、排他的な気分になることもあると。
食べることへの憎悪、食べている人への憎悪などが生まれます。
必須アミノ酸が補給されずセロトニンが作られないため、ネガティブな思考になるなどとも書かれてあります。
宿便の正体
断食に関する本で、断食をすると大量の真っ黒な便が出るという逸話を読んだことがある方もいるかと思います。
それが何であるのかについてもこの本には書かれてあります。腸内細菌が断食によって死滅したものだそうです。
オートファジー・サーチュイン遺伝子についても
断食の効果として語られることがある、オートファジーやサーチュイン遺伝子についても書かれています。
この本によると、断食でオートファジーが働くとしてもその効果は一時的なものだそう。長寿遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子については、断食による延命は効果はないという研究結果が紹介されています。
他にも断食で髪が生えるか? 断食すると骨折しやすくなるか? 酵素ドリンクについて…
といった断食にまつわる気になることについて解説されています。
タンパク質の不足が怖い
タンパク質の不足による体への害について書かれています。
断食をすると筋肉も落ちる。筋肉と同じようにタンパク質でできている肝臓、腎臓、髪の毛、皮膚、骨、血管、血液にも悪影響が出る…といったこと。
断食によるダイエットは、一時的には効果が出るが、長期的に見ると筋肉が減ることによって代謝が落ち痩せにくい体になっていく…
そしていろいろな断食の流派について説明があります。
最後に、この本の著書が長年のご自身の実践や断食をしている人たちの観察からたどり着いた食事法「楽楽食」というものを紹介しています。
楽しく、頑張らない食事で健康を目指す
ということで、その詳しい内容は別の本での説明となるようです。
この本のタイトルの意味
断食をしたり、食事の量や回数を減らしたりする場合、栄養不足で心身に悪いことが起こるということが書かれてある本でした。
タイトルだけ見ると衝撃的ですが、適度に食べてじゅうぶんに栄養を摂りながら断食を取り入れることを批判している本ではないようでした。そのように私には読めました。
何年、何か月も何も食べずに生きる「不食」をしている人がいるそうです。
「断食すればするほどいい」「断食でどんな病気も治る」「目指すべきは不食」そのような考えで断食にのめりこむのは、命を削ることにつながるというのがこの本のタイトルの意味だったように思いました。
断食の一番のメリット
少ない食事量でじゅうぶんに栄養をとること、筋肉を減らさないようにすることができれば、断食のデメリットをなくすことができるのではないかと思います。それはなかなか難しいことですが……
ただ私は断食って、食べ過ぎや体に悪い食品を摂りすぎる食生活から、健康的な食生活に変えるきっかけになることが一番の効果だと思っています。
健康的な食生活をした方がいい、といくら頭ではわかっていても、実践はできませんでした。断食をして初めて、食べ物のことを本気で深く考えることができたんです。
断食で空っぽになった胃腸に、これからはいいものだけ入れていこうと思えました。
胃が小さくなり、回復食では薄味の野菜料理、ボーンブロススープのおいしさに感動して、その後の食生活がずいぶん変わりました。決して完璧ではないけど、断食前よりはずいぶんよくなったと思います。
だから栄養をとり、筋肉を減らさないようにしながら、これからも断食を取り入れていけたらいいなとは思っているんですが……
続けて楽楽食の本も読んでいきます。
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